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☆玻璃の王宮シリーズ☆

~プロローグ~


(玻璃というのはガラスの事である。)

「玻璃の王宮]

この世界のどこかに玻璃の王宮がある。

ハナは生まれた時からそれを知っていた。

「切子の城壁にびいどろの王座。おれはそれを知っている。 おれは万里を越え七つの海を渡り、玻璃の王宮を探している。」

だがしかし、ハナには玻璃の王宮を見つける事が出来なかった。

万里を越え七つの海を渡ったハナにも、生まれた時から知っている玻璃の王宮を、見つけられなかったのだ。

うなだれるハナの眼前に、それは浮かびあがり、瞬く間に広がった。

(玻璃の王宮だ!)

(違う。)

(水だ、)

(水の王宮だ。)

(不思議だ)

触れても波紋一つ広がらず、しんとただそこに立っている。

触れたはずなのに手が濡れていない。

山の頂でもなく海の底でもなくもはや、玻璃でもなく。

その王宮はハナの内側にしん、と波紋一つ広げる事なく浮かびあがっていた。