ハナの涙(玻璃の王宮より)

ハナは懇願をやめて強く、拳を握り締めた。

急いて、足元がおぼつかないようなときめきも

溢れて包みこまれるようないとおしさも

 今はもうない。


ならば、

 身体の底から噴き出したつららが全身を駆け巡るようなさみしさも

 降りそそぐ雷(いかずち)のようなかなしみも いつかはそうなるだろうか。


おれの身の内には、未だ見ない明るくあたたかなものがあるはずだ。

 それは今はまだ、眠っているだけなのだ。


あの花は空へ向かってすくすくと伸び泥の中へあっても美しい花を咲かせるという。


怯え怒り、狂ったように暴れる小さなけだもののようなおれの心は玻璃の王宮でしか、静まらないのだ。


いつまでも地面に突っ伏しているのではない。

さぁ、たちあがれハナ。


大きく見開いたハナの目から、洪水のような涙が溢れ出した。




「ハナの涙」

制作・文・bambi☆(花ケモノ)撮影・キノムクヤ

花ケモノ

花のようにわらっては ケモノのように命を繰り返す

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