「ハナ」

おれにとって花はそのひとつひとつが詩であり太陽だ。

例えばさうびの花弁のあの表皮。

金言を話すくちびるはあのような透明さをもってしかし、あの連なりの間にはうすい影の落ちる。

あるいは南国のちいさなちいさな極彩色のあの小鳥。

あのようにつややかな羽毛を持つ小鳥が飛び立つ時。

朝霧の静けさに羽音を立てるよう、かすみの中へあらゆる色の花がひらく。

まるでおおぜいのきらびやかなおどりこたちの一連の銀河のようだ。

おれには胸いっぱいの花がいつも必要なのだ。

ただそのひとつがだれかを幸福にすることを望んでやまない。

ただそのひとつがおまえの痛みを、やわらげることをおれは望んでやまない。

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